コラム

8050問題とは?高齢化するひきこもり、ニートの支援方法を解説!

8050問題とは?高齢化するひきこもり、ニートの支援方法を解説!

ひきこもりとは、学校や仕事など家庭外での関わりを避け、6カ月以上家庭に留まり続けている状態を指します。
近年、ひきこもりの高齢化が進んでおり、その親に介護が必要となって、経済的に困窮してしまうといわれているのが8050問題です。

今回は、8050問題を含む中高年のひきこもりについて、従来のひきこもりとの違いや支援方法を解説します。

1 8050問題とは?

社会問題化する8050問題ですが、どのような問題なのでしょうか。
懸念される問題点や背景について解説します。

1-1 中高年のひきこもりを高齢の両親が支える構図
8050問題とは、中高年のひきこもりを支える高齢の両親が疲弊してしまう状態を指します。
ひきこもりが長期化し両親が高齢になると、両親自身が介護サービスを受ける必要があるのに、子どもを支えなければならない状態に陥ります。

中高年のひきこもりでは、「80代の両親と50代のひきこもり」という構図がみられるため、8050問題と呼ばれるようになりました。

1-2 若者のひきこもりと性質が異なる
8050問題の中心となる中高年のひきこもりは、若者のひきこもりとは性質が異なることが明らかになってきました。
平成30年度に実施された内閣府の調査では、40代以上のひきこもりのうち、正社員として働いた経験のある割合は73.9%でした。
また、全体のおよそ3割が退職をきっかけとしてひきこもりになっています。

参考:内閣府(2019)「生活状況に関する調査(平成30年度)」

若者のひきこもりは、不登校やいじめが原因で義務教育後も就労できないことが問題の中心とされてきました。
しかし、中高年では就労経験があり、何らかの原因で職場に馴染めなかったり、介護の問題があったりと様々な理由でひきこもりになっているのです。

そのため、中高年のひきこもりは、就労支援を中心とした若者とは異なる視点での支援が必要だといえるでしょう。

1-3 支援を受けられない年代が苦しむ
2000年代以降、ひきこもりを支援する行政サービスが制定されるようになりましたが、39歳以下の若者を中心とした支援が主でした。
40歳以上の中高年のひきこもりは、行政に相談しても適切なサービスを受けられなかったのです。

ひきこもりの背景に精神疾患があると分かれば、福祉サービスを利用できます。
しかし、本人や家族が精神科受診に抵抗があることも多いため、支援には繋がりにくいといえます。
その結果、ひきこもりが長期化し、両親に介護の必要が生じて問題が表面化するといったことが起きるのです。

2 8050問題と中高年のひきこもりの対応策は?

長期化すると対処が難しくなる中高年のひきこもりですが、8050問題にはどのように対応するとよいのでしょうか。
具体的には、以下の3つの機関へ相談するとよいでしょう。

・地域の支援機関
・精神科、心療内科
・就労支援機関

2-1 両親が健康なうちに支援機関へ相談する
両親が健康なうちに、支援機関へ相談しておくことが大切です。
自分たちが介護の必要な状態になった際に、どのような支援体制を取るのかを決めておくとよいでしょう。
また、子どもにも「自分たちに何かあればここへ連絡してほしい」と支援機関の連絡先を伝えておくと慌てなくて済みます。

一次相談窓口として都道府県や指定都市に配置されているひきこもり地域支援センターや生活困窮者支援窓口などに相談すると良いでしょう。

2-2 精神科へ受診する
ひきこもりの背景には、何らかの精神疾患が影響しているケースが多くあります。
うつ病や統合失調症などの精神疾患が原因で、外出できなかったり、人と会うのが恐かったりと日常生活に支障をきたしているようなケースです。

背景に精神疾患がある場合は、精神科を受診し、必要な治療を受ける必要があります。
しかし、本人の抵抗が強く、未治療のまま症状が悪化してしまうことが少なくありません。

本人の抵抗が強い場合は、訪問診療を検討することも1つの方法です。訪問診療に対応している医療機関や保健所に相談し、精神疾患が疑われる状態かどうかを確認してもらうとよいでしょう。

2-3 就労支援機関へ相談する
中高年のひきこもりを抱える家庭では、両親の年金によって生活費を賄っているケースが多いでしょう。
年金が受給できなくなり困らないよう、可能な範囲で収入を得られるようになっておくことが必要です。

49歳までの方であれば、地域若者サポートステーション(サポステ)を利用できます。
サポステでは、働くことが難しい方が社会復帰を目指すための機関です。
6カ月の期間で、就業体験やビジネスマナー、コミュニケーション講座など様々なプログラムを受けられます。

また、就労移行支援事業所に通って、就労に必要な生活リズムやマナーを身に付けることも1つの方法です。
就労移行支援事業所とは、障がいのある方の就職をサポートする福祉サービスであり、ひきこもりの方でも対象となる場合があります。

障がいのある方を対象としたサービスであるため、基本的には医師の診断や障害者手帳が必要です。
ただ、相談だけでも受け付けている事業所もありますので、探してみましょう。

3 まとめ

中高年のひきこもりは、本人だけでなく家族をも含み、就労や介護など複数の困りごとが絡み合い、解決が難しい場合があるでしょう。
最も大切なのは、家族だけで抱え込まず、専門家を頼ることです。

サスケ・アカデミーでは、ひきこもりで困っている方も無料でご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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