コラム

アサーティブコミュニケーションとは?仕事に役立つ自己表現を身に付けよう

ビジネス場面では、様々な立場の人たちとの対応が求められることがあります。上司や先輩であれば、気を遣って言いたいことが言えなかったり、部下や後輩には感情に任せて言いすぎてしまったりと、程よい自己主張は難しいものでしょう。

アサーティブコミュニケーションは、相手も自分も大切にする自己主張のテクニックです。角が立たずに自分の意見や考えを相手に伝えられます。

今回は、アサーティブコミュニケーションについて解説します。自分の自己主張スタイルを理解し、紹介するテクニックをもとに程よい自己主張を身に付けましょう。

1. アサーティブとは?

アサーティブとは、相手を尊重しつつ自分の意見を表現しようとする態度です。相手の立場を考えながら、自分の意見を押し付けることなく伝えることで、対人関係のストレス軽減やより良い関係の構築に繋がるとされています。

例えば、意見を言いたくても角が立つのではないかと心配で、我慢してしまう人もいるのではないでしょうか。もしくは、感情に任せて言いすぎてしまい、トラブルになり後悔することもあるでしょう。

アサーティブコミュニケーションを身に付けると、仕事の対人関係でのストレスをため込まず、納得しながら仕事を進められます。また、お互いの意思が明確になり、仕事も円滑に進むでしょう。

2. アサーティブでないコミュニケーションとは?

では、アサーティブでないコミュニケーションとは、どのようなパターンがあるのでしょうか。攻撃型や非主張型と呼ばれるコミュニケーションスタイルが、アサーティブでない自己主張だとされています。

2-1 攻撃型:相手を配慮せず自分の意見を押し付ける

攻撃が他の自己主張は、相手の立場や意見に配慮せず、自分の意見を押し通すような表現方法です。意見は明確に伝わりますが、相手にプレッシャーを与えるため、反発を招く可能性があります。攻撃型の自己主張をする人には、次のような特徴がみられます。

・相手が自分の期待通りでないと攻撃する
・相手の意見に対しては「いや…」「でも…」など否定的な表現で返す
・勝ち負けにこだわり、相手を見下すような態度を取る
・責任転嫁する

2-2 非主張型:対立を避けて自分の意見を言えない

非主張型は、自分よりも相手を常に優先し、言いたいことを我慢するような自己主張のスタイルです。相手には配慮できるのですが、我慢しすぎて不満をため込みやすいという特徴があります。
特に、「自分が配慮した分、相手にも気を遣ってほしい」と見返りを求める気持ちになりやすいといえるでしょう。非主張型のコミュニケーションスタイルには次のような特徴がみられます。

・お願いされると断れない
・「すみません」「ごめんなさい」が口癖で、卑屈な態度になる
・恩着せがましい気持ちになりやすい
・「はい/いいえ」で答えられないような曖昧な表現を使う 

3. アサーティブになるためのタイプ別のヒント

では、アサーティブでないコミュニケーションはどのように気を付ければ、自己主張しやすくなるのでしょうか。攻撃型と非主張型の2つのタイプ別に改善策のヒントを解説します。

3-1 攻撃型:思い込みに気づく

相手に攻撃的に自己主張してしまう言動の背景には、「思い込み」があります。思い込みに気づき、別の捉え方をすることで、相手を配慮できるようになるでしょう。

例えば、部下が初めて書く書類の書き方を間違えたときに「こんなミスをするなんて、真面目に仕事をしていないのか!」と叱責する上司がいたとします。上司は『仕事は何事も完璧に仕上げなければならない』という思い込みを持っているのかもしれません。

自分の中の思い込みに気づき、『初めは誰でもミスをするもの』と考えを切り替えられれば、部下を配慮した言動に変化するはずです。思い込みは、普段意識されないものであるため、自分の言動を一度振り返ってみる必要があるでしょう。

3-2 非主張型:自己表現の権利は平等であることを意識する

非主張型の人は、率直に自己主張してはいけないものだと思いがちだといえます。背景には、「意見が対立してはいけない」「角が立つと面倒だ」という考えがあることが多いでしょう。

自己主張は全ての人に認められた平等な権利であり、誰からも咎められることはありません。「意見が一致しなくて当たり前」と考えて、自分の意見を伝えながら、互いに歩み寄れる関係を築けるとよいでしょう。

4.アサーティブになるためのワーク:DESC法

では、どのようにすれば、アサーティブな表現ができるのでしょうか。自己主張のフレームワークとして有名なのが、『DESC法』です。DESC法では、以下の4つの要素から自己主張を組み立てて相手に伝えます。

D:describe 不満や怒りのような主観的な内容は含めず、状況を具体的に表現します。
E:express Dの内容に対する自分の思いを伝えます。感情的にならず、「私は~だと感じた」と伝えるとよいでしょう。
S:specify 自分が求めている内容を具体的に表現し、相手に提案します。
C:choose Sの提案に対する選択肢や代替案、提案の結果生じることを示します。相手の反応をイメージして伝えると良いでしょう。

「上司から仕事を振られたが、手一杯なので断りたい」という場合をDESC法に沿って考えてみましょう。

D:事実 19時までに仕上げないといけない資料があり、手一杯な状況です。
E:自分の感情 大変な状況でお手伝いできず申し訳ないのですが、本日中の対応は難しく、時間内で終わらないのではと不安に思っています。
S:提案 明日以降でしたら対応できますが、いかがでしょうか。
C:選択肢 (相手の返事がNoの場合)○○さんに頼めないか聞いてみます。

DESC法に沿って表現内容を考えることで、事実と感情を分けて明確な提案を示せるため、円滑なコミュニケーションが行えるでしょう。

5.まとめ

自己主張は平等に認められた権利であり、黙って言いたいことを我慢する必要はありません。また、時には相手の自己主張の権利を尊重することも大切です。アサーティブコミュニケーションには、「自分と相手の考えは違って当たり前」という前提を理解することが必要だといえるでしょう。

サスケ・アカデミーでは、コミュニケーションに苦手意識を持つ方のために、社会人に必要なコミュニケーションを練習するカリキュラムを提供しています。
無料でご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

サスケアカデミー電話ご相談 0120-063-067

PAGE TOP