この記事では、多機能型事業所が行う就労支援に焦点を当てて、メリットや利用時の注意点について説明します。
事業所選びに迷っている方や、多機能型事業所について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
多機能型事業所とは？
多機能型事業所は、障がい者や障がい児の福祉サービスのうち、2つ以上のサービスを組み合わせて一体的に提供する施設です。
職員の人数や設備などいくつかの要件を満たしており、自治体より「多機能型事業所」の指定を受けています。
以下に対象のサービスと組み合わせの例を示します。
【障害福祉サービス】
- 生活介護
- 自立訓練（機能訓練）
- 自立訓練（生活訓練）
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
【障害児通所支援】
- 児童発達支援
- 医療型児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 保育所等訪問支援
＜組み合わせの例＞
- 自立訓練（生活訓練）と就労移行支援
- 生活介護と就労継続支援B型
- 就労継続支援A型、B型と就労移行支援
多機能型事業所を利用するメリット
単独の事業所に比べると、多機能型事業所には以下のようなメリットがあります。
ここでは「自立訓練と就労移行支援」の事業所を例にして説明します。
障がい者の自立に向けた一体的な支援を受けられる
多機能型事業所は、生活支援と就労支援を一体的に提供する事業所です。
障がい者が自立するために必要な支援を、個々の状況や要望に合わせて継続して受けられるのがメリットです。
たとえば、朝起きることがつらくて仕事が続かない場合、まずは自立訓練で自己管理方法を身につけ、その後就労移行支援を利用し、就労に必要な訓練を始めます。
これにより、利用者は整った生活を送りながら、就労に向けて訓練を重ねステップアップを目指すことができます。
生活面と就業面の支援を組み合わせることで、障がい者が社会生活を送るために必要な支援が、より利用しやすくなるのです。
サービスを変更しても環境の変化が少ない
多機能型事業所のメリットとして、サービスを変更しても環境の変化が少ない点も挙げられます。
たとえば単独のサービス事業所の場合、就労移行支援事業所を探し、新たに契約しなければなりません。通所場所もスタッフも変わるため慣れるまで時間がかかり、ストレスを感じることもあるでしょう。
多機能型事業所であれば、就労移行支援へ変更しても通所場所を変える必要がありません。なじみのあるスタッフもいるので、安心して次のステップへ進めます。
コミュニケーションが広がる
年齢や環境の違うさまざまな利用者とコミュニケーションがとれることも、多機能型事業所のメリットです。
多機能型事業所で行われるイベントやレクリエーションに参加することで、利用者同士の交流が促進されます。
利用者同士が同じ空間を共有するため、コミュニケーションやルールを守ることの大切さを学ぶことができます。
また、他者との関わりから新しい発見や刺激を受け、社会性を身につける事にもつながるでしょう。
多機能型事業所で就労支援を利用するメリット
多機能型事業所で利用できる就労支援は次の3種類です。
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
多機能型事業所で就労支援を利用するメリットは、個々のニーズに合わせたステップアップ支援が充実している点です。
たとえば、通所を始めたばかりの利用者は簡単なプログラムから始め、徐々にスキルを磨いていけます。B型からA型、A型から一般就労といったステップアップの支援も可能です。
知識や経験の豊富なスタッフが丁寧に進路指導・相談を行っているので、利用者は安心してステップアップにチャレンジできます。
多機能事業所を利用する際の注意点
サービスの併用は原則できない
多機能型事業所では、同時に複数のサービスを利用することは原則できません。
たとえば、就労継続支援B型からA型、またはA型からB型へ変更することは可能です。しかし、A型とB型を同じ期間に利用することはできないので注意しましょう。
事業所によって利用できるサービス内容が異なる
「多機能型事業所」の名称でも、提供されるサービスは事業所によって異なります。利用申請の前に見学や事業所体験をし、自身が希望するサービスなのか確認しましょう。
まとめ
多機能型事業所は、障がい者や障がい児に対して多彩な福祉サービスを提供する施設です。
環境の変化を最小限に抑えつつ、必要な支援を段階的に受けられます。
サスケグループでは、就労移行支援と就労継続支援A型を提供する多機能型事業所もあります。就労に必要な技術の習得から、就職後の定着支援まで丁寧にサポートしています。
ご見学やご相談も随時受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
