ひきこもりの問題は、ひきこもっている本人だけでなく、両親や家族、家庭全体に影響を与えます。
状況を改善していくためには、家族全体を支える第三者の存在が重要です。
各都道府県に専門相談窓口があり専門のスタッフが相談をお受けており、お気軽に相談してくださいとのことです。
今回は社会問題となっている「ひきこもり」について考えてみたいと思います。
1、ひきこもり・不登校・ニートの違いって?
2、ひきこもりの原因って?
3、ひきこもり脱出できる?
4、まとめ
1、ひきこもり・不登校・ニートの違いって?
・ひきこもりとは?
ひきこもりのことを「様々な要因の結果として、社会参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」と厚生労働省は伝えています。
「社会参加」には、学校や仕事のほか、家庭外での交友関係なども含まれます。
近くのコンビニや買い物のための外出ができても、「社会参加」が出来ていない場合、ひきこもりに定義されるそうです。
・不登校とは?
不登校のことを「何かの心理、情緒的、身体、社会的要因などにより、登校しない、したくてもできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と文部科学省は定義しています。
「不登校」でも、習い事に通う、友達と交流するなどを行っていれば、「ひきこもり」ではありません。
・「ニート」について
ニートとは「Not in Education,Employment or Training」の頭文字を取ったイギリスの造語のこと。
直訳すると「就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人」になります。
日本では、内閣府が、「高校や大学に通学にしておらず、独身であり、収入になる仕事をしていない15歳以上35歳未満の人」と定義しています。
ひきこもりとニートの違いは、「社会的な組織(学校や仕事など)に所属しているか否か」です。
2、ひきこもりの原因って?
病気・障害がなくてもひきこもりになる方はいらっしゃいますが、約8割は何らかの精神障害によるといわれているそうで、原因は様々です。
起立性調節障害、広汎性発達障害、統合失調症、双極性気分障害、うつ病、強迫性障害、パニック障害、パーソナリティ障害など、治療が有力な支援となるそうです。
若年層では、いじめ、成績の低下、受験の失敗なども原因となる場合あり、きっかけとなる原因がはっきりしないケースも。
もともとの性格が内向的、非社交的だったり、「手のかからない子ども」として育ってきた子どもが、ひきこもりになることもあるそうです。
しかしそれらの性格も、必ずしも決定的な要因ではありません。
「自分の子育ての仕方が悪かったのではないか」など、変に悔やむ必要はありません。
3、ひきこもり脱出できる?
学校に通うようになったり、アルバイトや正社員として働くことや、ボランティア活動等、社会とつながりができるようになれば、ひきこもりから脱出できたと言えたでしょうか。
脱出に向けて少しづつ意識してみたら良いことを記載しておきます。
全てではないのであくまでも自分に合った脱出方法を探してみてくださいね。
・家族相談
家族(両親)による相談から始めてみる。
ひきこもる原因や外に出るのが怖いや不安な気持ちなどを時折吐き出してみましょう。
ひきこもりを卒業するための改善方法を見つけるお喋りではありません。
ただのんびりと、今感じている事などを気楽に話してみましょう。
・小さな事からはじめてみる
・希望を捨てずに、ゆっくりと
・目標は小さくても良いので、外の世界でやってみたい事を探してみましょう。
・「コンビニで商品を買ってその場で食べてみたい」とか小さな事からはじめてみてみても良いでしょう。
・生活のリズムを整えることも大切です。
毎日できなくても、出来る日は服を着替え朝起き食事をとって、ゆっくり好きなことをして過ごしてみましょう。
一日リズムよく過ごすことができたら自分を褒めましょう。
・社会的な援助
自力では厳しいと感じる場合、ひきこもりの支援団体に相談してみては。
各都道府県の「ひきこもり地域支援センター」や「精神保健福祉センター」の窓口で相談してみるのも良いでしょう。
心療内科、精神科や、カウンセラー、デイケア、フリースクールなどもあります。
ハードルが高いと感じるかもしれませんが、勇気を出して訪ねてみると、脱出のきっかけとなるかもしれません。
今の状態を他の人に知られるのが嫌であれば、匿名で相談できるメールや電話相談などを利用して、プロのアドバイスを貰ってみるのも良いでしょう。
・ファイナンシャルプランナーに相談方法も
一人になってしまったら、病気になった時、老後資金など将来訪れると思われる場面を具体的に、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良い刺激になるかもしれません。
4、まとめ
ひきこもりから無理矢理行動しようとしてもできなければ、ストレスが溜まって余計に外に出られなくなってしまいます。
じっくり気長に待ってみましょう。
社会的な援助にも勇気を出して相談してみると、少し気持ちを整理することができたり、脱出のきっかけもあるかもしれません。
家族も少しづつ、デイケアや自助グループ、就労移行支援など、社会との接点を見つけ出して、悩みを抱え込まず、医師や専門機関、家族会などのを活用しましょう。
家族の負担も減り、方向性も定まるでしょう。
ひきこもりがちだった方、社会復帰したいとお考えの方、働いたことがない方など、条件に当てはまらなくても、一度ご相談ください。
就労移行支援事業の利用契約は18歳以上となりますが、17歳以下の方についても体験のお申込みや将来的な利用相談を承っています。
厚生労働省
ひきこもり経験者の社会参加の事例集