コラム

大人の女性のADHDとは?女性特有の生きづらさと対策を解説します!

大人の女性のADHDとは?女性特有の生きづらさと対策を解説します!

ADHD(注意欠如多動症)とは、不注意や多動性、衝動性を主な症状とする発達障害の1つです。
ADHDは男性に多くみられる発達障害だと考えられてきました。
ただ、近年では成人のADHDの性差は、男1.6:女1とされており、女性のADHDは増加しているといえます。

参考:米国精神医学会(2013)「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」

女性のADHDには、男性にはない特有の困りごとがあるでしょう。
例えば、
「やる気がないだけだと言われ、ADHDだと理解されにくい」
「仕事と家事を両立できない」
「周りの女性達のように細かい気配りが苦手」
などと、症状が目立ちにくかったり、女性特有に求められる役割とのギャップに苦しんだりするなど、女性特有の生きづらさがあるでしょう。

今回は、女性特有のADHDの特徴と対策を紹介します。
男性とは違うADHDの特徴を理解し、生きづらさを解消するヒントを説明していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

1. 大人の女性のADHDの特徴とは?

女性のADHDは、男性とは異なり目立ちにくいといえます。
女性らしさを求められる環境や場面では、評価されず、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。

1-1 男性よりも目立ちにくい
ADHDは、不注意優勢型と多動・衝動性優勢型に分けられますが、女性は不注意優勢型が多いといわれています。
「ボーっとしている」「忘れ物が多い」などの症状が主であるため、多動性が強い男性よりは目立ちにくいのです。

特に、男性は「授業を静かに聞けない」「突発的に手が出る」など、幼少期からADHDの症状が目立ちます。
そのため、幼少期にADHDと診断されるケースが多いでしょう。
一方で、女性は集団場面で問題となりにくく、幼少期にはADHDと気づかれにくいといえます。

そのため、上手く行かないことがあってもADHDの問題と理解されず、周囲から「なまけている」と誤解されてしまうことがあるでしょう。
そして、「理由は分からないけど上手く行かない」「自分のせいだ」と生きづらさを抱えたまま大人になってしまうのです。

目立たないことで周囲から理解されず、男性よりも生きづらさを抱えてしまいやすい点が、女性特有のADHDの悩みだといえるでしょう。

1-2 家事や育児がうまくこなせない
現代は、共働き家庭が増加しており、家事や育児は男性も担うものだという認識が浸透しつつあります。
しかし、家事や育児は女性が中心となって担うものと未だに思われがちです。

家事や育児はマルチタスクの連続だといえます。
例えば料理なら、材料を切っている間に炊飯器でご飯を炊いて、鍋で水を温めて…など複数の作業を同時に行う必要があります。
育児なら、保育園に提出する書類の締め切りや準備する服、備品などチェックしておく項目が多くあるでしょう。

ADHDの特性により、マルチタスクが苦手だと適切にこなせず、自信を失ってしまいやすいのです。

1-3 細やかな気配りが苦手
職場やプライベートの人間関係では、未だに女性特有の「細やかさ」が求められることがあります。
相手を優先したり、困っている人に声を掛けたりといった「気の利く人」が女性らしいと評価される傾向があるでしょう。

ADHDの特性が強いと、衝動性から自分の言いたいことを優先してしまうことがあるかもしれません。
また、手一杯で相手のことを考える余裕がなく、気配りができなかったりすることがあるでしょう。

その結果、周囲からあまりサポートしてもらえず、仕事を一人で抱えてさらに手一杯になるといった悪循環に陥ってしまうのです。
女性としての役割を求められる事で、ADHDの女性は生きづらさを感じることが多いでしょう。

2. ADHDの女性が特性を活かして活躍するには?

女性として求められる役割とのミスマッチや、症状が目立ちにくいことが女性のADHDの特徴だといえます。
では、ADHDの女性が社会で活躍するには、どんなことを心がければよいのでしょうか。

2-1 時間管理スキルを磨く
ADHDの特性を持つ大人の女性がしんどさを感じるのは、家事や育児、仕事など様々な事柄を両立するマルチタスクでしょう。
両立のためには、限られた時間を適切に管理する力を身につけることが大切です。

「期限を守れない」「計画的に作業できない」などのADHDによくある困りごとには、時間感覚のズレが関係していることがあります。
時間感覚のズレとは、ある作業が10分で終わると思っていても実際は20分かかっているというように、時間の見積もりが苦手な特徴を指します。
計画を立てる段階で、時間の見積もりがずれていると、スケジュールに余裕がなくなってしまうでしょう。

時間感覚のズレを修正しつつ、正しいスケジュールを立てるためには、次のポイントを意識することがおすすめです。

・1つの作業にかかる時間を計測する。
・所要時間を考慮して、毎日のスケジュールを書き出す。
・短時間で完了する作業(メールチェック、提出物の準備など)はスキマ時間に行う。
・1日のスケジュールはできるだけ固定化する。

上記のポイントを意識することで、マルチタスクの負担を軽減でき、生活に余裕が生まれるでしょう。

2-2 自分の得意分野で仕事を選ぶ
得意分野を見極め、適性に見合った仕事を選択することも重要です。
例えば、事務職のようなバックオフィスの仕事は、女性が働きやすい仕事の1つだといえます。
ただ、ADHDの特性を持つ人にとっては、細かいチェックが必要で単調な作業は飽きてしまうことがあるでしょう。

ADHDの特性を活かせるのは、豊かな想像力を発揮できる企画職やデザイナー、専門分野を突き詰める専門職など、事務職とは異なります。
「女性が働きやすい職場だから」という理由で仕事を選ばず、自分の特性や得意分野から選ぶと、より能力を発揮できるでしょう。

3. まとめ

以上、大人の女性のADHDに関しての特徴と生き方のヒントを紹介しました。
女性のADHDは、環境が合わずに自信を失くしてしまうことが少なくありません。
自分の力を発揮でき、自分らしくいられる環境が見つかれば、生きづらさが和らぐことでしょう。
生活や仕事で困ることが多い場合は、発達障害者支援センターや専門の医療機関に相談し、自分の特徴を知るところから始めてみることがおすすめです。

サスケ・アカデミーでは、ADHDの方に向いている仕事や特徴に合わせた仕事探しをサポートしています。
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